• 2018年1月30日

講習会③

こんにちは。培養部です。

先日は雪が降り、寒さが増していくなか休日は家に籠り寒さをしのぐ日々を過ごしています。

また今回も講習会に参加してきたので一部ご紹介したいと思います。
今回は体外受精法のひとつである顕微授精(ICSI)について触れさせていただきます。

顕微授精とはマイクロマニピュレーターと呼ばれる顕微鏡を用いて受精を補助する手法の総称でその中のひとつである卵細胞質内精子注入法(ICSI)が主流となっており、今日では顕微授精といえばICSIと認識されています。

体外受精(cIVF)では卵子がある培地に精子を泳がせて自然に近い形で授精させる方法に対して顕微授精(ICSI)では卵内にインジェクションピペットと呼ばれる微細なガラス管を刺し精子を直接注入して授精させる方法です。

顕微授精の利点として良質な精子がひとつでもあれば授精操作を行うことができるため運動精子が少ない方でも受精卵を得ることができます。また、受精障害によって体外受精では受精率が不良だったとしても顕微授精であれば受精する場合があります。体外受精での受精障害の回避策として複数採れた卵子を体外受精と顕微授精の両方で行うsplit-ICSIも手段としてあります。

顕微授精でも受精しない場合も稀にあり、人為的に卵子を活性化させ授精させる試みもされていて、当院でもカルシウムイオノフォアと呼ばれる卵子活性化処理を併用した顕微授精も行っています。まだ卵子活性化の明確な有用性があるのかは分かっていませんが妊娠が報告された症例もあるので検討する価値はあると思います。

以上、顕微授精(ICSI)について一部ご紹介させていただきました。
今後も少しでも有用な情報を発信できるよう努めて参ります。

今年も宜しくお願い致します。

培養部 SEKIGUCHI

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