- 2023年9月11日
- 2026年9月8日
卵子凍結はいつすべきか|年齢の考え方と東京都の助成、当院の費用
卵子凍結を検討するとき、区切りになる年齢は二つあります。東京都の助成を受けられるのは採卵を実施した日に18歳から39歳までの方、当院で社会的適応による卵子凍結を行えるのは20歳以上44歳以下の方です。40歳以上でも凍結は可能ですが、都の助成の対象からは外れます。
卵子凍結で得られるもの、得られないもの
先に申し上げておきます。卵子凍結は将来の妊娠を保証する方法ではありません。
| 項目 | 卵子凍結で対応できるか |
|---|---|
| いま採卵した卵子を将来まで保存する | できます |
| 加齢による卵子の数の減少を止める | できません。凍結した分が保存されるだけです |
| 凍結した卵子の質を採卵時点より良くする | できません |
| 将来の妊娠・出産を保証する | できません |
| 妊娠を試みる時期を後ろにずらす選択肢を持つ | 持てます |
当院の卵子凍結の対象
当院で実施する卵子凍結は、社会的適応によるものです。対象は20歳から44歳の方で、次のようなご希望をお持ちの方が受けられています。
- 少しでも若い時の卵子を、将来の妊娠出産のために残しておきたい
- 今はまだ仕事に集中したいが、将来妊娠出産を望んでいる
- パートナーはまだいないが、将来妊娠出産を望んでいる
卵子は特殊な凍結保護剤を用いて液体窒素で長期凍結保存することができ、必要なタイミングで顕微授精・移植をすることで妊娠を目指します。治療の詳しい内容は「卵子凍結(未受精卵凍結)」ページをご覧ください。
東京都の助成(上限20万円+更新2万円)
東京都は「卵子凍結に係る費用の助成」を実施しています。当院は登録医療機関に認定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 採卵を実施した日において、東京都に住む18歳から39歳までの女性 |
| 助成額(凍結実施年度) | 上限20万円 |
| 助成額(保管更新) | 1年ごとに一律2万円(令和10年度まで実施予定) |
| 前提条件 | 都が開催する説明会へ参加した後、調査事業への協力申請を行い、協力承認決定を受けること |
| 医療機関 | 登録医療機関において医療行為を開始すること |
手続きの順序にご注意ください。説明会への参加が先で、医療行為の開始は後です。凍結を済ませてから申請することはできません。
対象外となるのは、すでに不妊症の診断を受けて不妊治療を目的とした採卵・卵子凍結を行う方、および東京都若年がん患者等生殖機能温存治療費助成事業の対象となる方です。凍結卵子の売買・譲渡・第三者への提供、海外への移送は認められておらず、令和10年度まで都の調査に継続して協力することが条件です。
当院の費用
卵子凍結基本検査パック 33,000円(税抜30,000円)
診察料(初診料・再診料を含む)、相談料、感染症検査、AMH検査、血液検査、超音波検査などが含まれます。初めて卵子凍結を行う方は最初に必ず受けていただきます。前回の受診から1年未満で行う方は不要です。感染症が陽性の場合は凍結ができません。
卵子凍結パッケージプラン(税込)
金額は採卵数ではなく、凍結できた卵子の数で決まります。
| 刺激方法 | 凍結卵子数 | 採卵1回目 | 採卵2回目 | 採卵3回目以降 |
|---|---|---|---|---|
| 低刺激・中刺激 | 0個 | 110,000円 | 110,000円 | 110,000円 |
| 1〜5個 | 264,000円 | 231,000円 | 198,000円 | |
| 6個以上 | 319,000円 | 253,000円 | 220,000円 | |
| 高刺激 | 0個 | 110,000円 | 110,000円 | 110,000円 |
| 1〜5個 | 330,000円 | 297,000円 | 264,000円 | |
| 6個以上 | 385,000円 | 319,000円 | 286,000円 |
プランには診察料、検査料、お薬(排卵誘発剤など)、注射手技料、採卵費用、局部麻酔、初期凍結処理費用が含まれます。静脈麻酔をご希望の場合は別途22,000円(税抜20,000円)です。凍結後はグレイスバンクでの保管となります。
刺激方法は、AMH2.0以上で高刺激、AMH1.0以上で低刺激から中刺激を基準に、ご年齢や健康状態に基づいて医師が提案します。
お支払いは、治療スタート日に110,000円(税抜100,000円)、採卵後の培養士外来日に凍結数に応じた金額から110,000円を引いた差額をお支払いいただきます。採卵数が0個だった場合、追加料金は発生しません。治療スタート後にご都合によりキャンセルとなった場合、追加料金は発生しませんが返金もございません。
費用は変更される場合がありますので、最新の金額は「治療費(自費診療治療費)」ページをご確認ください。
知っておいていただきたいリスク
採卵では決まったホルモン剤を毎日使用し続けなければならず、採卵時には痛みを伴う場合があります。当院では、採卵の麻酔は局所麻酔と静脈麻酔からご希望で選んでいただけます。多くの方は局所麻酔を選択されています。
採卵して凍結保存した卵子はすべて受精し、移植可能な胚盤胞まで成長するとは限りません。途中で変性するものや、成長が止まってしまうものもあります。移植してもすべての胚が着床、妊娠するわけではありません。

採卵によって副作用(主に卵巣過剰刺激症候群)が起こった場合、その予防薬・治療薬・検査費用が別途発生することがあります。
卵子凍結は公的医療保険の適用外の自由診療であり、費用は全額自己負担となります(東京都の助成の対象となる場合を除く)。この治療は多様なニーズに応える選択肢の一つであり、妊娠を保証するものではありません。
よくある質問
30代後半での卵子凍結に意味はありますか。
年齢が上がるほど、一度の採卵で得られる卵子の数は減る傾向があります。一方で、その時点の卵子を保存できることに変わりはありません。何個凍結できそうかはAMHやホルモン値、超音波検査からある程度の見通しを立てられます。なお、東京都の助成は採卵日に39歳までの方が対象です。
採卵できた卵子が0個だった場合、費用はかかりますか。
パッケージプランでは110,000円(税抜100,000円)です。追加料金は発生しません。
何歳まで卵子凍結を受けられますか。
当院の社会的適応による卵子凍結は20歳以上44歳以下の方が対象です。東京都の助成は18歳から39歳までが対象のため、40歳以上の方は助成の対象外となります。
不妊治療中でも東京都の助成を使えますか。
使えません。すでに不妊症の診断を受け、不妊治療を目的として採卵・卵子凍結を行う方は対象外です。
出典 東京都福祉局「卵子凍結に係る費用の助成 事業の概要」(2026年4月30日更新)
※助成制度の内容は変更される場合があります。申請にあたっては東京都福祉局の最新のご案内をご確認ください。