• 2018年9月17日
  • 2026年9月8日

精液検査でわかること|WHO基準値の見方と検査の流れ・費用

精液検査では、精液量・精子濃度・運動率・総精子数・正常形態率を調べます。WHOが2021年に公表した第6版の基準値では、精液量1.4mL、精子濃度16×10⁶/mL、総運動率42%、正常形態率4%が下限の目安です。当院の費用は7,700円(税込)です。

検査の流れ

検査当日、自宅または院内で採精していただいた検体を提出していただきます。

採精直後の精液はゼリー状を呈しており、このままでは正確な検査が行えないため、5〜30分程度常温で静置し液状化させた後に検査を行います。

液量を計測後、当院ではマクラーチャンバーと呼ばれる計算盤により精子濃度と運動率を計測しています。計算盤には0.1㎜の格子状のマス目が記されており、マス目上にいる精子をカウントすることで精子濃度と運動率を算出することができます。

WHOの基準値(2021年・第6版)

項目 下限の目安
精液量 1.4mL
精子濃度 16×10⁶/mL
総運動率 42%
総精子数 39×10⁶
精子正常形態率 4%

この数値は、生殖年齢にある約3,500人の男性のデータから算出された5パーセンタイル値です。

注意していただきたいのは、この基準値が「妊娠できる/できない」を分ける線ではないことです。第6版では、基準値(reference threshold)という考え方から離れ、判断の目安(decision limit)として扱う方向が示されています。基準値を下回っていても自然妊娠される方はいますし、上回っていても妊娠に至らない場合があります。

検査結果の判定は上の表の基準値を基に判断します。精子濃度・運動率が基準値以下であればそれぞれ乏精子症・精子無力症、精子が存在しない場合は無精子症の疑いがあります。表の値は下限値となっていますので、下回ると自然妊娠が難しくなるとされています。

精子濃度の測定に用いるマクラーカウンティングチャンバー

数値が基準を下回っていた場合

乏精子症や精子無力症といった造精機能障害の原因として、精索静脈瘤やホルモンによる精巣機能不全などが挙げられますが、原因不明な場合が多いです。原因がわからない症例での有効な治療法は確立されていませんが、漢方薬やビタミン剤、ホルモン療法、生活習慣を改めることにより所見が改善される可能性があります。

治療には時間がかかると考えられますので、早い段階で検査を行い、今後の治療方針を検討していただくことをお勧めします。

当院では男性不妊の治療は行っておらず、連携している病院をご紹介しています。検査の結果に応じて、適切な医療機関へおつなぎします。詳しくは「男性不妊症の治療」ページをご覧ください。

精液検査でわからないこと

精液検査でわかるのは、精子の数と運動性、形です。精子のDNAが損傷しているかどうかはわかりません。精液所見に問題がないのに妊娠に至らない、流産を繰り返すという場合、精子のDNA断片化が関係していることがあります。これを調べるのがDFI検査です。

費用

検査 費用(自費診療・税込)
精液検査 7,700円
DFI検査 9,900円

精液検査とDFI検査は、採取した検体を調べる検査であり、身体への侵襲はありません。自費診療は公的医療保険の適用外であり、費用は全額自己負担となります。

費用は変更される場合がありますので、最新の金額は「治療費(自費診療治療費)」ページをご確認ください。なお、精液検査は東京都の不妊検査等助成事業の対象となる検査に含まれています(保険医療機関で受けた場合・要件あり)。

よくある質問

自宅で採精してもよいですか。

自宅または院内のどちらでも可能です。自宅で採精される場合の持参時間については、診察時にご確認ください。

1回の検査で判断できますか。

精液所見は体調によって変動します。1回の結果だけで判断せず、必要に応じて再検査を行います。

基準値を下回っていたら妊娠できないのですか。

そうではありません。WHOの基準値は妊娠の可否を分ける線ではなく、判断の目安です。基準を下回っていても自然妊娠される方はいます。数値をどう治療方針に反映するかは診察でご相談ください。

男性不妊の治療は受けられますか。

当院では検査を行い、治療が必要な場合は連携病院をご紹介しています。

出典 World Health Organization「WHO laboratory manual for the examination and processing of human semen, 6th ed.」(2021年)

日暮里レディースクリニック 03-5615-1181 ホームページ