• 2018年9月17日

精液検査

こんにちは。培養部です。
9月中旬となり、夏の猛暑もようやく和らぎましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

私事ですが、先日、以前も話題にさせて頂いた東京国際医療福祉大学大学院が主催している生殖補助医療に関する講習会を聴講してきました。
男性不妊症の検査についての講義内容でしたので勉強してきたことと合わせて当院で行っている精液検査について一部お話させて頂きます。

検査当日、自宅または院内で採精して頂いた検体を提出して頂きます。
採精直後の精液はゼリー状を呈しておりこのままでは正確な検査が行えないため5~30分程常温で静置し液状化させた後検査を行います。
液量を計測後、当院ではマクラーチャンバーと呼ばれる計算盤により精子濃度、運動率を計測しております。
計算盤には0.1㎜の格子状のマス目が記されており、マス目上にいる精子をカウントすることで精子濃度と運動率を算出することができます。

WHOが定めた精液下限基準値(2010改訂)
精液量 1.5ml
濃度 15.0×10⁶/ml
運動率 40%
総精子数 39.0×10⁶/ml
精子正常形態率 4%

検査結果の判定は上の表の基準値を基に判断します。
精子濃度・運動率が基準値以下であればそれぞれ乏精子症・精子無力症、精子が存在しない場合は無精子症の疑いがあります。表の値は下限値となっていますので下回ると自然妊娠が難しくなるとされています。

乏精子症や精子無力症といった造精機能障害の原因として精索静脈瘤やホルモンによる精巣機能不全などが挙げられますが原因不明な場合が多いです。原因がわからない症例での有効な治療法は確立されていませんが漢方薬やビタミン剤、ホルモン療法、生活習慣を改めることにより所見が改善される可能性があります。
治療には時間がかかると考えられますので早い段階で検査を行い今後の治療方針検討して頂くことをお勧めします。

以上が精液検査についてのお話になります。少しでも皆様のお役にたてれば幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い致します。

培養部 SEKIGUCHI

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