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非侵襲的PGT-A

非侵襲的PGT-Aについて

本日は、以前ブログにて紹介しました着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)のお話になります。

PGT-Aとは、体外受精によって得られた胚(受精卵)の染色体数を移植前に調べる検査です。正常な染色体数の胚を選んで移植することができるため、妊娠率の向上と流産率の減少が期待できます。

当院も2021年4月より日本産婦人科学会主導のPGT-Aの特別臨床研究に参加しており、現在までに143人/343個の胚を検査しております。(2022/4/26現在)

PGT-Aでは「胚生検」といって胚盤胞の外側の細胞(栄養外胚葉)の一部を採取して検査を行います。現状ではこの技術が生まれてくる子に影響を及ぼすという報告はありませんが、胚に物理的ダメージを与えるという懸念があります。

そのため、胚に物理的ダメージを与えない非侵襲的なPGT-A(niPGT: Non-invasive preimplantation genetic testing)の研究が注目されています。

今回はniPGTとはどのような技術なのかを簡単にご紹介いたします。

niPGTでは胚の細胞を直接解析するのではなく、胚を培養した培養液を解析します。培養液中には胚由来のDNAが存在すると考えられるため、胚の細胞を採取しなくても染色体数の検査ができるとされています。

それでは、従来のPGT-AよりniPGTが優れているかといえば、必ずしもそうではありません。胚への侵襲性という意味ではniPGTは優れていますが、検査精度ではどうでしょうか?

先月、京都で開催された第63回日本卵子学会学術集会において、複数の施設からniPGTの有効性の検討を行った発表がありました。

それらの発表では、従来のPGT-AとniPGTの検査結果の一致率は18%~81.3%と発表により結果に差があり、niPGTの有効性は賛否が分かれていました。

これらは、①採取できるDNA量が少ない、②培養液中には卵丘細胞(卵子を取り巻く細胞)由来のDNAなど、胚由来でないDNAも混入し、誤った検査結果が出る場合がある等により検査結果が不安定である事が原因と考えられます。

本邦ではniPGTは研究の域を出ず、臨床応用されるまでには至っていない技術です。

今後の研究が進み、より安全で精度が高い技術の確立を期待したいと思います。

培養部では、日々進化する科学技術を利用し、皆様により良い医療をご提供できるように努めて参ります。

培養部 NAKAMURA