• 2021年9月16日
  • 2026年9月8日

PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)とは|対象となる方・検査の流れ・費用

PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)は、体外受精で得られた胚の染色体の数を、移植する前に調べる検査です。染色体の数が正常な胚を選んで移植することで、流産の可能性が高い胚の移植を避けられます。当院では2021年4月から実施しており、費用は107,800円(胚1個につき・税込)です。

PGT-Aとは

PGT(着床前診断)とは、体外受精で得られた受精卵の染色体や遺伝子を移植前に調べることです。一般的にPGTは3種類ありますが、当院で実施しているPGT-Aは受精卵の染色体の本数の変化を調べる検査です。

この検査では、体外受精で得られた胚盤胞の細胞の一部を採取して染色体の本数が正常であるかを確認してから子宮内へ胚の移植を行います。これにより、より妊娠しやすい胚の候補を絞り移植に臨むことができます。また、流産の可能性の高い胚の移植を避けることで、流産に伴う負担の軽減が期待できます。

種類 調べるもの 当院での実施
PGT-A(異数性) 胚の染色体の本数 実施しています
PGT-SR(構造異常) 染色体の構造の異常 適応に当てはまる場合に実施しています
PGT-M(単一遺伝子) 特定の遺伝性疾患の原因遺伝子 実施しておりません

対象となる方

日本産科婦人科学会は2022年9月1日に「着床前診断についての細則」を改訂し、対象の考え方を次のように変更しました。

時期 対象の記載
改訂前 体外受精・胚移植実施中で、直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方
改訂後 反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦

改訂前は「2回連続」で妊娠しなかった場合に限られていたため、間に一度妊娠が挟まると連続ではなくなり対象外でした。改訂により、直近2回連続でなくても対象となります(連続から通算へ、流産は2回)。

当院の対象条件は「不妊検査」ページに掲載しています。実際に対象となるかは、これまでの治療経過をふまえて医師が判断します。

検査の流れ

  1. 体外受精のために卵胞を育て、採卵します。
  2. 採卵にて回収した卵子を受精させ、培養します。
  3. 胚盤胞(5日目)が得られた場合、胚盤胞から採取した細胞を解析施設に輸送します。検査結果が出るまで約3週間かかります。
  4. 移植可能な胚があれば、移植日当日に凍結保存している胚盤胞を融解して子宮内に移植します。

*すでに胚盤胞の凍結胚がある方は、希望する個数を検査に提出することが可能です。

PGT-Aでは「胚生検」といって、胚盤胞の外側の細胞(栄養外胚葉)の一部を採取して検査を行います。当院の判定結果の割合は「当院の治療成績」ページでご覧いただけます。

費用

当院のPGT-Aの費用は107,800円(税込)です。胚1個につき、胚生検料・染色体解析料・胚融解料・再凍結料・レーザーアシステッドハッチングを含みます。お支払いは検査依頼日です。費用は変更される場合がありますので、最新の金額は「治療費(自費診療治療費)」ページをご確認ください。

なお、当院ではPGT-Aを自費診療として実施しております。そのため東京都の不妊治療費助成の対象にはなりません。タイムラプスやERA、PICSIなど、当院が先進医療として登録している技術は助成の対象となります。

検査を受けるにあたっての注意

検査技術は完璧なものではないので、微細な染色体の変化が検出できない場合があります。また、移植可能と判断された正しい数の胚であっても、生検による胚へのダメージや染色体以外の原因が影響して妊娠・出産に至らない可能性もあります。

胚生検が生まれてくる子に影響を及ぼすという報告は現状ではありませんが、胚に物理的なダメージを与えるという懸念があります。この点を避けるため、胚の細胞を採取せず培養液を解析する非侵襲的PGT-A(niPGT)の研究が進められていますが、従来のPGT-Aとの検査結果の一致率は報告により18%から81.3%と幅があり、日本では研究の域を出ず臨床応用には至っていません。採取できるDNA量が少ないこと、培養液中に卵丘細胞など胚由来でないDNAが混入することが原因と考えられています。

PGT-Aを検討している方は、簡単に解説している資料のお渡しや動画をメールでお送りできますので、スタッフにお声掛けください。

よくある質問

PGT-Aを受ければ流産しませんか。

流産しないという検査ではありません。流産の可能性が高い胚の移植を避けることが目的です。染色体の数が正常と判断された胚でも、染色体以外の原因により妊娠・出産に至らないことがあります。

初診でいきなりPGT-Aを受けられますか。

受けられません。PGT-Aは体外受精で得られた胚盤胞に対して行う検査です。また、日本産科婦人科学会が対象を「反復する体外受精胚移植の不成功の既往を有する不妊症の夫婦」としています。

すでに凍結している胚も検査できますか。

できます。すでに胚盤胞の凍結胚がある方は、希望する個数を検査に提出することが可能です。

結果が出るまでどれくらいかかりますか。

約3週間です。

出典 公益社団法人 日本産科婦人科学会「不妊症および不育症を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-A・SR)」

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