- 2025年8月30日
DFI検査
この度、当院で新たに導入した検査についてご紹介します。その検査は「DFI検査」といい、「精子の質」を測ることができるとされていて、近年注目されています。
※DFI:DNA Fragmentation Index
最近ではかなりメジャーになってきており、すでにご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが、このDFI検査では精液の「DNA断片化率」を測定することができ、これによって妊娠に適した精子の状態であるかどうかを知ることができます。
DNAの断片化とは、DNAが何らかの要因で損傷を受けてしまった状態のことで、この数値が高いと流産率や胎児の先天異常などに影響があるため、注意が必要です。
DFI検査では特殊な溶液を使って精子の細胞を溶かし、精子のDNAを染色することができます。


精子から染み出た「halo」のサイズを計測して異常(Fragmented)DNA断片化の割合を調べる
「Big halo」と「Medium halo」 →正常(Normal)
「small halo」 や「haloなし」 →異常(Fragmented) DFI率 〇〇%
この赤く染まった部分がある精子はDNAが正常(Normal)で問題なし。大きく染まらなかった精子は異常(Fragmented)箇所がある精子(DNA断片化している)と判断されます。この割合をみて評価します。30%を超えるような数値だった場合、妊娠に悪影響があるとされています。
最新の世界保健機関(WHO)ラボマニュアル第6版では、DFI検査の数値が追加されるなど、近年では「精子の質」を評価する新たな指標として重要視されているわけですが、従来の精液検査では精子の「濃度」と「運動性」しか調べることができません。
当然、従来の検査法でわかる、精子の濃度と運動性は妊娠率には大きく影響することがわかっていますが、精子の運動性は問題ないのに妊娠に至らなかったり、流産を繰り返してしまったりしてしまう例が多くみられます。こうした原因として精子の「質」の部分であるDNA断片化率に影響があることが分かった来たことで、精液検査の必要な項目として注目されております。
「精子のDNA損傷は、胚発生の遅延や着床率の低下と関連しており、特に顕微授精(ICSI)において顕著な影響を与えることが示されている という論文
参照URL
また、DNA断片化率は年齢を重ねるごとに増加する傾向があることや※1、その他、生活習慣によって悪影響がでることが指摘されています※2。生活習慣が乱れていると体内に酸化物質が蓄積してしまい、からだ全体の細胞にダメージ与えてしまいます。その結果細胞内のDNAにダメージを与えることになり、卵子や精子のDNA損傷のきっかけとなっていしまいます。


参照URL
※1(Advanced Paternal Age and Sperm DNA Fragmentation: A Systematic Review – PMC)
※2 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18281241/
以下の点で思い当たる方はとくに検査の実施をおすすめします。
・過去に精液所見を測ったが、数値が良くない
・精液所見が良いにもかかわらず、1年以上妊娠に至らないカップル
・低受精率や胚の発育不良、流産を複数回繰り返してしまう
・夫年齢が40歳以上の方
・精索静脈瘤の有無または手術歴がある男性
・日々の生活にストレスを感じている。睡眠がとれていない。
・喫煙、飲酒が多く、運動や食生活について生活習慣の改善を指摘されている
妊娠を目指す方々は事前に精液検査とDFI検査を併せて行うことで、正確な精子の状態を知ることができるため、結果的に妊娠までの最短ルートを辿ることができると思います。精液検査の際はぜひ検査の受診をご検討ください。