- 2025年8月30日
- 2026年9月8日
DFI検査とは|精子DNA断片化率でわかること・30%の目安・費用
DFI検査(DNA Fragmentation Index)は、精液中の精子のDNA断片化率を測定する検査です。従来の精液検査では精液量・精子濃度・運動率・総精子数・正常形態率を調べますが、DNAの状態はわかりません。DFI率が30%を超える場合、妊娠に悪影響があるとされています。当院の費用は9,900円(税込)です。
DFI検査でわかること
DFI検査では精液の「DNA断片化率」を測定することができ、これによって妊娠に適した精子の状態であるかどうかを知ることができます。
DNAの断片化とは、DNAが何らかの要因で損傷を受けてしまった状態のことで、この数値が高いと流産率や胎児の先天異常などに影響があるため、注意が必要です。
最新の世界保健機関(WHO)ラボマニュアル第6版では、DFI検査の数値が追加されました。「精子の質」を評価する新たな指標として重要視されています。
従来の精液検査との違い
| 検査 | わかること | わからないこと |
|---|---|---|
| 精液検査 | 精液量、精子濃度、運動率、総精子数、正常形態率 | DNAの損傷の程度 |
| DFI検査 | 精子のDNA断片化率 | 精子の数、運動性 |
従来の検査でわかる精子の濃度と運動性は妊娠率に大きく影響することがわかっていますが、精子の運動性は問題ないのに妊娠に至らなかったり、流産を繰り返してしまったりする例が多くみられます。こうした原因として精子の「質」の部分であるDNA断片化率が影響することが分かってきたことで、精液検査の必要な項目として注目されています。
精子のDNA損傷は胚発生の遅延や着床率の低下と関連し、特に顕微授精(ICSI)において顕著な影響を与えることが報告されています(PubMed: Double-stranded sperm DNA damage is a cause of delay in embryo development and can impair implantation rates)。
DFI率の見方(30%が目安)
DFI検査では特殊な溶液を使って精子の細胞を溶かし、精子のDNAを染色します。精子から染み出た「halo」のサイズを計測して、DNA断片化の割合を調べます。


| haloの状態 | 判定 |
|---|---|
| Big halo、Medium halo | 正常(Normal) |
| small halo、haloなし | 異常(Fragmented・DNA断片化している) |
赤く染まった部分がある精子はDNAが正常(Normal)で問題ありません。大きく染まらなかった精子はDNAが断片化している精子(Fragmented)と判断します。この割合をみて評価します。30%を超えるような数値だった場合、妊娠に悪影響があるとされています。
DNA断片化率が高くなる要因
DNA断片化率は年齢を重ねるごとに増加する傾向があり、生活習慣によって悪影響が出ることが指摘されています。生活習慣が乱れていると体内に酸化物質が蓄積し、からだ全体の細胞にダメージを与えます。その結果、細胞内のDNAにダメージを与えることになり、卵子や精子のDNA損傷のきっかけとなってしまいます。
参考文献:Advanced Paternal Age and Sperm DNA Fragmentation: A Systematic Review(PMC)
検査をおすすめする方
以下の点で思い当たる方はとくに検査の実施をおすすめします。
- 過去に精液所見を測ったが、数値が良くない
- 精液所見が良いにもかかわらず、1年以上妊娠に至らないカップル
- 低受精率や胚の発育不良、流産を複数回繰り返してしまう
- 夫年齢が40歳以上の方
- 精索静脈瘤の有無または手術歴がある男性
- 日々の生活にストレスを感じている。睡眠がとれていない。
- 喫煙、飲酒が多く、運動や食生活について生活習慣の改善を指摘されている
当院での費用と受け方
DFI検査は自費診療で9,900円(税込)です。精液検査(7,700円・税込)と併せて受けていただくことで、精子の数・運動性とDNAの状態の両方を把握できます。費用は変更される場合がありますので、最新の金額は当院の「治療費(自費診療治療費)」ページをご確認ください。自費診療は公的医療保険の適用外であり、費用は全額自己負担となります。DFI検査は採取した精液検体を調べる検査であり、身体への侵襲はありません。
妊娠を目指す方々は事前に精液検査とDFI検査を併せて行うことで、より詳しく精子の状態を知ることができます。精液検査の際はぜひ検査の受診をご検討ください。
よくある質問
検査結果はいつわかりますか。
検査自体は当日から2日程度で結果が出ます。当院では通院の回数を増やさずに済むよう、次回ご来院の際にご説明しています。
DFI検査は保険が使えますか。
自費診療です。当院では9,900円(税込)でお受けいただけます。
DFI率が30%を超えていたら妊娠できないのですか。
妊娠できないという意味ではありません。30%は妊娠に悪影響があるとされる目安で、結果をどう治療に反映するかは、精液検査の結果やこれまでの治療経過とあわせて医師が判断します。
精液検査だけでは足りないのですか。
精液検査でわかるのは精子の数と運動性、形です。運動性に問題がなくても妊娠に至らない、流産を繰り返すという場合に、DNAの断片化が関係していることがあります。