• 2018年11月5日
  • 2018年11月8日

培養室の停電対策

こんにちは。培養部です。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

10月も間もなく終わり、今年も残すところたったの2カ月となりました。
最近はすっかり秋の空となり、気温もだいぶ下がってきました。
みなさまも体調管理には十分に気を付けてくださいね。

気温といえば、9月から10月を振り返ると、突然30℃に達したかと思えば、翌週には10℃代にまで冷え込むなど、朝でかけるときの服装にはずいぶん悩まされました。

とくに今年は連日のように台風に見舞われ、全国的に大変な被害があったことも記憶に新しいと思います。

都内でもJRが運転をとりやめするなど、わたしも初めての経験でした。

また前回の看護部からのブログでも書いていましたが、
9月6日に発生したいわゆる北海道胆振東部地震では大規模な停電がありました。

先の北海道地震当日は、日本生殖医学会という培養士や医師が多く集まる学会が旭川で開催されていました。

当院の院長や培養士も当学会に参加する予定だったのですが、地震、大規模停電の影響で中止になってしまいました。

私たちは実際には現場にいなかったので、被災することはなかったのですが、前日に北海道に行った多くの医師や培養士が被災しました。

知り合いの培養士の話では、ホテルも空港も停電していたので、移動もままならず、学会どころではなかったそうです。

いまニュースをみていても大小に関わらず、頻繁に地震が起こっていて、あらためて日本は災害大国だと痛感しました。

これまで幸い比較的東京都内は地震被害が少なかったこともあり、正直なところ危機感が薄かったところがありました。

しかし今回、身内が被災することによって、改めて考えさせられました。

ほんとはそういうことじゃあダメなんですけどね。

☆彡

さて、ということで今回は当院の培養室で取り組んでいる、災害時の対策の一部を紹介いたします。

不妊治療専門のクリニックにおいている機器や設備類は、普通の病院とちがってかなり専門色がとても強く、特徴的ですが、その代表的なものが培養室です。

培養室には、みなさまからお預かりしている大切な受精卵を培養している
「培養庫(インキュベータ)」と、

その培養になくてはならない培養液を保管している高性能の冷蔵庫など、培養室特有の専用機器がたくさんあります。

           ☆培養庫(インキュベータ)

※37℃ CO2濃度が6%、O2濃度が5%(低酸素濃度)になるように設定されています。

 

 

 

☆冷蔵庫

※-30℃まで冷やすことができます

 

当然これらはすべて電気で稼働していますので、停電してしまうとかなりの痛手です。

電気がこなければ、卵に最適な環境を保つことが出来ません。

培養庫外に十数分も放置されてしまえばすぐに卵はダメになってしまいます。

そこで当院では巨大なバッテリーを常備して停電対策をしています。

 

これのおかげで台風や落雷、地震などによりビルが停電した場合、自動的に切り替わることで復旧までのあいだ培養庫、冷蔵庫を稼働させて、培養環境を維持してくれます。

☆彡

災害はいつなんどき起こるか分かりません。

もちろん仕事中でも、外出中でも、寝ているときでも。

実際に被災した瞬間、冷静にいられるかどうかは分かりません。

普段からの事前の準備や心構えが必要だなと感じました。

 

ちなみにわたしも個人的に今年の地震、台風以降に自宅用に1Lペットボトルのお水を1箱とソーラー充電ができる小型バッテリー&LEDランタンを注文しました。

 

気休めかもしれませんがおまじないみたいなもので、不思議と防災意識は高まりますね。

 

SAKAMOTO

 

 

 

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