不育症の治療法
検査で見つかったリスク因子についての治療を行います。治療法には、大きく分けて3通りの方法あります。個々の異常に応じた治療法を選択します。
なお、流産や死産の原因が染色体異常による偶発的な場合や、明確に特定できない場合には、特別な治療はせずにカウンセリングのみが行われます。
内分泌代謝異常の治療
糖尿病や甲状腺機能の異常、高プロラクチン血症などの疾患から起こります。
それらの疾患に合わせて、生活改善や食事療法、また薬物療法などが行われます。
原因が下垂体腫瘍にある場合は、手術の適応になることがあります。
子宮形態異常の治療
単角子宮、双角子宮、中隔子宮、重複子宮(重複腟)などの先天的な子宮奇形や、子宮内腔に変形をもたらす子宮筋腫などがある場合には、手術を行うことがあります。手術が必要かどうかについては、医師とよく話し合うことが大切です。
血液凝固異常
血液が固まってできる血栓を治療するために、アスピリン(飲み薬)やヘパリン(注射)などの薬物療法を行います(抗凝固療法)。
不育症と前向きに向き合う
不育症と診断されても、出産に至る可能性は十分にあります。ただ、流産や死産を繰り返すことは、精神的に大きなダメージになることは事実です。不育症のリスク因子に対する適切な治療と同時に、夫婦で互いに心のケアを行いましょう。不育症を乗り越えるには、パートナーをはじめ、周囲の人の支えも必要です。精神科や心療内科への受診が必要になるケースもあります。辛い気持ちを一人で背負い込まずに、周囲の人の心理的支援を受けながら、前向きに向き合っていきましょう。